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ポルトガルに入ってから、どうも、天気に恵まれない。突風とともに雨雲が到着して、石畳の地面を洗い流して去って行く。そして青空が現れ、また突風が吹いて、の繰り返し。 路面電車に乗ってベレンまで、ジェロニモス修道院の回廊を見にいく。ベレン地区には大航海時代のモニュメントが多いが、この修道院と教会は、ヴァスコ・ダ・ガマがインドから持ち帰った富を費用にして建設されたそうだ。その巨大さが当時のポルトガルの繁栄を物語っている。 建物は、全体をゴテゴテした彫刻に覆われているけれど、余計な色を使っていない分、石灰岩のクリームがかった白色に、陽が時おり反射して輝くのがとても優雅だ。中にポルトガル歴史年表が展示されていた。日本史とのかかわり以外ほとんど知らないポルトガルの歴史。年表につい熱心に見入ってしまい、回廊の中庭に出るのを忘れて修道院をあとにしてしまった。 大航海時代から植民地経済で潤った時代を経て、20世紀には植民地が次々と独立し、今ではEUでも辺境の小国という感のあるポルトガル。歴史の痕は多くを語らず、このリスボンのあちこちに、黙ってたたずんでいるだけだ。その沈黙に引き寄せられて、旅をしている。 つづいて、ベレン文化センターへ。「フリーダ・カーロ展」の大ポスターにつられて来てみたが、それは次回の開催予告だった。開催中の "BES Photo 2005" というポルトガルの写真賞(木村伊兵衛賞みたいなものか)の受賞作品展を見る。4人の受賞者はいずれも1960年代生まれだった。写真は、自然の風景を被写体にしたものから、コンセプチュアルなものまで。常設のデザイン・ミュージアムも見ておく。20世紀の家具・プロダクトデザイン史といった展示。流れが整理されていて見やすかった。私が魅力を感じる家具は、ミッドセンチュリー・モダンまでだ。1960年代後半からの妙に未来っぽい・宇宙っぽい形はどうも。それ以降のモダン家具はなおさら絵空事のような色、素材、形。作品として見たら十分かっこいいとは思うのだけれど。 ベレン文化センターは、広々とした空間にギャラリーの他、演劇やダンス、コンサート用のホール、アート系書店、レストラン、ショップなどを備えている。バリアフリーも考慮した建物で、ぜいたくな施設だ。 ベレンに来たら、パステイス・デ・ナタを食べに行かなくては。1837年創業のカフェ兼菓子店、パステイス・デ・ベレンはいつもお客でいっぱい。奥のカフェが満席だったので、カウンターで客と客の隙間にぐりぐり割り込んで、ナタ1個とコーヒーを注文する。焼き上がったばかりのナタが奥から次々と運ばれてきている。パステイス・デ・ナタは、小さな丸いパイの中にカスタードのようなクリームを入れて焼いたお菓子。焼きたては、外側のパイがいっそうパリパリで中はしっとり、めちゃめちゃうまい。ちょうどいい甘さのクリームの味を、シナモンがひきたててくれる。 コーヒーもおいしいエスプレッソ。植民地ブラジルから仕入れたコーヒーをもとに、ポルトガルにも年期の入ったカフェ文化があるようだ。老舗らしきコーヒー豆店や、素敵なカフェをよく見かけた。
by achici
| 2006-05-16 23:04
| 旅
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