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国立民族学博物館で開催中の特別展「聖地★巡礼」。映像展示を主体に、フランスのル・ピュイから、スペイン北西部にあるサンティアゴ・デ・コンポステーラへまでの巡礼路が大きく紹介されている。その道のりを50日間かけて徒歩で行く、ひとりのフランス人にカメラが同行し、行く先々で出会う世界各国から訪れた旅人だとか、宿の主人や聖職者など、巡礼にかかわってきた人びとの声を拾っていく。
キリスト教徒の間で11世紀ごろに始まったサンティアゴへの巡礼。17世紀にいったん衰退したものの、現代になってまた盛んになった。その動機は、いまでは純粋に宗教的な目的のためだけではない。"スポーツ感覚で" サンチャゴへ向かう旅人も多く、徒歩、自転車、馬など手段もさまざま。 旅の理由はなんとでも付けられる。自分自身への挑戦だったり、煩わしい日常からの逃避だったり、旅行を楽しくする趣向のひとつだったりするのは想像に難くない。とにかく「そんなに昔から人を魅了する道なら、私もたどってみたい」のだ。 世界の三大宗教のいずれにも巡礼という慣習がある。場所や方法はそれぞれ違うけれど、宗教を問わず、ひとは「聖地」と呼ばれる場所を意識し、そこをめざす。聖地への道程のなかで、自分を見つめ直し、苦しい道中の末に生きる喜びや神の恩恵を得る。つまり、聖地にたどり着くまでの道のりは、聖地に到着するという目的と同じくらい重要だと言えるだろう。 巡礼路を行く人たちに撮影者が尋ねる。「この旅で何か変わりましたか?」 毎日自分の中で何かが変わっているという人、発見があるという人、何も変わらないという人、そもそも変わろうなどと思っていない人、答えはさまざまだ。 ーなんで私はそこに行こうとしているのか。 ーなんで私はこんなとこまで来たのか。 旅のあいだ、ひとりで黙々と歩きながら自問していることがよくある。 サンティアゴ・デ・コンポステーラに着き(私は列車でだったが)雨の中の坂道を肩すぼめて歩いていたとき、まさにそうだった。(リンク記事→otosata.exblog.jp/2316947、otosata.exblog.jp/2295200参照) なぜ私は旅をするのか、自分でもわからないし、答えは一つではないだろう。 なぜ人は聖地に惹かれるのか、聖地に立ってみることで自分も少しは感じることができるかもしれない。たとえ行き先が宗教のお墨付きを得た名所でなくても、ただ明日そこに着こうと決めた場所に向かって歩くことに、聖地巡礼とさほど違いはないと思う。 ちなみにこの展示、サンティアゴ巡礼路を歩いてみたい人には楽しい内容なのだが、タイトルほどには、聖地に対しての掘り下げはされていない。巡礼も、世界最大のメッカ巡礼とか、身近な四国巡礼(お遍路さん)とかについて、もっと紹介があればよかったのに。お遍路さんが昔は "死出の旅" だったことを考えると、巡礼の別の一面を示すこともできたと思う。
by achici
| 2007-03-19 22:52
| みる
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