カテゴリ
タグ
まち(33)
museum(25) アート(25) スペイン(25) 歴史(20) 食(14) チュニジア(13) 読書(12) 映画(12) トルコ(11) イタリア(11) モロッコ(10) 宗教(10) ポルトガル(10) 音楽(7) 京都(6) 沖縄(6) 台湾(5) café(5) 韓国(4) 以前の記事
2009年 02月 2009年 01月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 01月 2007年 11月 2007年 10月 more... 最新のトラックバック
ライフログ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
その日の素敵な昼食のあと、至福の気分でメスキータ入場。庭園ではオレンジがたわわに実っているのに、雪が積もっていて変な取り合わせだ。 コルドバがイスラム教徒の王朝の都だった8世紀に、モスクとして建設されたのがメスキータ。13世紀にコルドバをキリスト教徒が奪還してからはカトリックの教会になり、それから増築・拡張が繰り返された末、今の巨大な姿になった。 中は暗い。アラブ世界独特の透かし彫りの飾り窓が影になってその模様を強調している。照明にぼうっと照らし出された赤白の縞のアーチ、列柱がどこまでも整然と続いていて気が遠くなりそうだ。 中央には大きな祭壇が壮麗な姿でそびえている。列柱アーチの一番外側に一つ一つ礼拝所があって教会内を取り囲んでいる。オリジナル部分の正面奥、扉の真正面の位置に、ミフラーブがあった(写真)。メッカの方向を示す壁面の窪みで、イスラム教徒はそこに向かって祈りを捧げる。窪みは丸いアーチで囲まれ、草花の装飾模様がとても優雅。 イスラムの美的感覚とカトリックの宗教感覚とが混在している。あらゆる柱という柱に掲げられている聖人の像やら聖書にまつわる絵やら、カトリックってなんと仰々しいのだろうかと思ってしまった。 イスラム統治時代、キリスト教徒もユダヤ教徒も信仰は認められていて、三つの宗教が共存していたそうだ。それがキリスト教統治下になり、イスラム教徒、ユダヤ教徒は追放されるはめになった。結果的に、それが後のスペインの発展を遅らせる一因にもなったようだが、メスキータの中の壮麗さは、キリスト教の宗教世界をイスラムに対して、これ見よがしに誇示しているようにも思えてくる。 メスキータの周辺、旧市街は白壁の家並が続き、細い路地が迷路のように入り組んでいる。鉄柵の門の中をのぞくと、どの家にもあざやかなモザイクタイルの階段や、花壇や植木鉢を置いた可愛いパティオが見える。 今は何もない季節だが、春になるとそれらの家々は色とりどりの花で飾られるだろう。5月にはパティオの美しさを競い合って見せる祭りもあるそうな。 さぞかしきれいだろうなあ、とコルドバの明るい春を想像しながら、曇り空の下、身にしみる冬の寒さの中をさまよい歩くのだった。いや、ほんと寒かった。
by achici
| 2006-04-14 00:12
| 旅
|
ファン申請 |
||