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ミラノに来るのはこれで3回目で、初めてブレラ美術館(La Pinacoteca di Brera)を訪れた。ここはもともと美術アカデミーのコレクションとして始まったそうで、今も奥に美術学校がある。周囲もギャラリーやアート関係の店が並んでいてアーティスティックな雰囲気が漂う。 館内には15〜19世紀のイタリア絵画がずらりと。見たところ、主流をロンバルディア、ヴェネト、トスカーナと地域別に三つに分けているような感じ。 ラファエロ、ティツィアーノ、カラヴァッジョと巨匠の作品が並ぶなか、ここでいちばん印象に残ったのは、ヴェネツィア派と言われるうちの一人、ジョバンニ・ベッリーニの「ピエタ」(Pietà)だった。「聖母子」(Madonna col bambino)の柔らかな肌の質感も捨てがたいが、嘆き悲しむマリアの手に浮いた静脈やキリストの上腕筋など、いずれの作品にしても人体の表象をとても繊細に捉えていると思う。また表情の静けさもかえって悲しみを深く表している。 ベッリーニと並ぶヴェネツィア派の画家、アンドレア・マンテーニャの絵は、横たわるキリストを足元からとらえた構図が独特な「死せるキリスト」(Cristo morto)をはじめ、皺とか影の入れ方や涙の表現など、描写が鮮明すぎるのか、どうも漫画的に見えてしかたがなかった。(実物より図版で見たほうがよかった…?) まあ、この時代のどの絵にしても不思議なのは、キリストの体格が立派すぎて、数日間はりつけにされてた人の体にはとても見えないことだ。 絵の種類としては、伝統的なキリスト教画がメインでそのほか近代以降の肖像画・風景画とあるけれど、それとは少し趣の異なる、民衆を描いた絵画というのもあって、描かれた当時の人々の風俗をかいま見ることができる。 ピエトロ・ロンギという18世紀ヴェネツィアの画家による「抜歯」(Il cavadenti)という小さな作品は、歯を抜かれて苦痛の男、抜いた歯をかざして得意げな男、それを複雑なまなざしで見つめる観衆、それぞれが表情豊かでユーモラス。抜歯って見せ物だったのだろうか? 黒い仮面を付けた人が登場するなど当時のヴェネツィアの人々の様子がわかって面白い絵。 ここまで、なぜかヴェネツィアの画家ばかり取り上げてしまった。 最後に、この美術館にある20世紀美術のコレクション "Jesi collection" はわりと充実している。カッラ、ボッチョーニなど未来派絵画、シローニ、モディリアーニなど、彫刻ではマリーノ・マリーニの作品を見ることができた。 モランディの作品では、デ・キリコやカッラの影響を受けたメタフィジカルな静物画や自画像などバラエティに富んでいた。ここで見た「花」(Fiori) の穏やかで調和のとれた画面と色彩の美しさ、私が一番気に入ったモランディはこれ。
by achici
| 2006-03-31 02:47
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